日本茶ワークショップ
振り茶編
振り茶ワークショップ
バタバタ茶
今回ご紹介する振り茶は「バタバタ茶」といいます。
後発酵茶のお茶です。

主に北陸地方 富山県 新潟県
1000年以上前の唐の時代
中国大陸に黒茶が誕生し、朝鮮半島を経て日本に伝来したと言われています。
後発酵茶「黒茶」
日本に四種類しかない後発酵茶の一つ「富山県のバタバタ茶」
中国のプーアール茶と同じ種類になります。
後発酵茶とは
茶葉が持つ酵素の働きを熱加工止め
真菌(カビ)を人工的につける微生物発酵
乳酸菌発酵を使う場合もある
バタバタ茶の歴史
- 室町時代1427年頃
真宗本願寺 第八世「蓮如(れんにょ)上人」が越中布教のときにふるまった説があります。 - 庶民のお茶「たて(点てる)茶」 として愛飲されていました
人と人が集まる交流の場、お祝いや仏事のときにふるまっていたようです。 - 戦時中にお茶づくりが減った結果、バタバタ茶を飲む地域が減っていったことから、今は富山や新潟地方で飲まれるだけになっています。
バタバタ茶の工程
「刈り取り」→「裁断」→「蒸す」→「室の中に入れて発酵させる」→乾燥
バタバタ茶の飲み方
- 夫婦茶筅を使い泡立てる
- 煮出してそのまま飲む
- お茶の中に具材は入れません
バタバタ茶の淹れ方
- 黒茶をだしパックなど袋に適量入れる ※やかんの場合 一つかみ 1000ml程度
- やかんまたは鍋で煮だす/急須でいれる場合は熱湯を使用する
- 適度の色と味の出たお茶を柄杓で汲み
- 茶碗(専用の茶碗 五郎八茶碗 ) に入れる。
- 茶筅の先をお茶で濡らし塩をつける。または、お茶にお塩を少々入れる
- 茶筅(二本合わせの夫婦茶せん)を泡が立つまで左右に動かす。
- 数十回も振ると泡立ちます。
もう一つのバタバタ茶
「新潟県糸魚川(いといがわ
)のバタバタ茶」

・カワラケツメイ・大豆・焙じ茶・茶の花
「河原決明」
乾燥させたカワラケツメイの茎や葉を使って淹れるお茶
豆茶や浜茶、弘法茶などの呼び方もあります
日本を始め朝鮮や中国東部に自生する、マメ科の一年草
茎には細かい毛が生え、葉一枚が15~30枚の小さな葉から出来ている。
夏から秋にかけて黄色い小花を咲かせた後に、豆のような果実をつけます。
期待できる作用
※健康茶として市販されている(薬草茶)に近いお茶です。(注意)お薬ではありません。
便秘解消、利尿作用、コレステロール値の低下
ミネラル 体の機能維持・機能調節
フラボノイド 抗酸化作用、生活習慣病予防
今回は、二つのバタバタ茶を紹介しました。
①富山県 本願寺第八世の留主職を継承され、近江・北陸の教化につとめられた蓮如上人がふるまった黒茶。
②新潟県 弘法大師(空海)がふるまったお茶(弘法茶)をつかったものもある
今回は庶民の家族団らんとしてふるまわれていた振り茶の「バタバタ茶」をご紹介しました。
ぜひご家庭でもお楽しみいただけると幸いです。